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日本語ジャーナル:日本語を「知る」「教える」

日本語教育機関の認定基準案等についてのパブリックコメント募集中!

日本語教師の国家資格化に関する「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」(以下、日本語教育機関認定法)が、2023年6月2日に公布されました。この法律に関する詳細を定めた施行規則案や認定基準案等について、文化審議会国語分科会日本語教育小委員会およびワーキンググループにおいて検討が重ねられてきました。現在、パブリックコメント(意見公募手続)が9月20日18時まで行われています。

パブリックコメントに参加するには

パブリックコメントは以下のページから参加することができます。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001324&Mode=0 

ここで対象となるのは、

「認定日本語教育機関に関する省令等の案の概要

登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関に関する省令等の案の概要

の2つの資料です。この他に「参考資料」もあり、いずれも上記のパブリックコメントのURLからダウンロードすることができます。

 

「機関」名がいろいろとありますが、各々が指し示すものは以下の通りです。

認定日本語教育機関:文部科学大臣認定の日本語教育機関

登録実践研修機関:登録日本語教員になるための教育実習を行う機関

登録日本語教員養成機関:登録日本語教員を養成する機関

認定日本語教育機関に関する省令等の案について

認定日本語教育機関認定基準の方向性(案)の概要は、以下のように構成されています。

Ⅰ.総則

⇒ 趣旨、基本組織

Ⅱ.教員及び職員の体制

⇒ 校長、主任教員、教員数等

Ⅲ.施設及び設備

⇒ 校地、校舎、教室、設備

Ⅳ.日本語教育課程

⇒ 日本語教育課程の目的、修業期間、授業時数、

授業科目、遠隔授業、生徒数、入国前準備講座等

Ⅴ.学習上及び生活上の支援体制

⇒ 生活指導担当者、健康診断、在留の継続に必要な

支援体制

Ⅰの総則は「留学・就労・生活」とも共通です。総則では、この認定基準はあくまで最低基準であること、1つの機関が複数の課程を持つ場合は、「留学」「就労」「生活」の課程別に認定が行われることなどが定められています。

Ⅱ~Ⅴは「留学」と「就労・生活」に分けて記載されています。かなり具体的に記載されていますので、自分がこれからどの課程で日本語を教えたいのかをイメージしながら、その課程ではどのような基準が定められようとしているのか、注意して見ておく必要があります。そして、ぜひ意見をパブリックコメントに投稿しましょう。

また、資料の後半には、その他の主な論点への対応として、情報公表、自己点検評価、定期報告、経過報告、申請書等についての記載もありますので、こちらも忘れずにチェックしておきましょう。

登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関に関する省令等の案について

一方、登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関については、登録手順登録申請書、登録用件などの登録に関すること、研修事務や養成業務規定登録日本語教員の登録に関する規定などが定められています。

登録日本語教員の経験者講習について

今回のパブリックコメントの直接の対象ではありませんが、8月30日の第3回登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関の登録手続き等の検討に関するワーキンググループにおいて、登録日本語教員の経験者講習についての案が事務局から出されました。

これは現職日本語教師の中で、以前に必須の50項目に非対応の課程を修了した人や、昭和62年4月1日~令和6年3月31日の間に実施された日本語教育能力検定試験に合格した人が、登録日本語教員になるために受けなければならない講習です。

講習にはⅠとⅡがあり、各々の対象と研修時間は以下のようになっています。

【講習Ⅰ】

受講対象:現職日本語教師等のうち、平成12年報告書のカリキュラム内容未履修者

研修時間:90分×5コマ(7.5時間)+講習修了認定試験

【講習Ⅱ】

受講対象:現職日本語教師等のうち、平成31年報告書のカリキュラム内容未履修者

研修時間:90分×10コマ(15時間)+講習修了認定試験

登録日本語教員の経験者講習は、受講機会確保の観点から自宅等で受講できるオンデマンドで実施するとされ、また、本講習修了をもって日本語教員試験の一部または全部が免除となることから、講習内容が身についたことを確認するため講習修了確認試験を実施し、講習内容の定着が確認できたことをもって講習修了とするとしています。