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日本語ジャーナル:日本語を「知る」「教える」

外国人の入国制限緩和の状況(2022年4月23日時点)

2022年3月1日の外国人の入国制限の解除以降、留学生などの入国が進み、全国各地の大学や日本語学校からは、待望の新入生を迎えての明るいニュースが続々と届いています。どの日本語教育機関も留学生の受け入れ、クラス編成などの対応に追われています。そして留学生の増加に対応するために、日本語教師の求人も急増しているようです。

進む入国制限の緩和

3月1日の入国制限解除は日本語教育関係者にとっては待望の明るいニュースでしたが、この時点では1日の入国者数の上限は5,000人でした。この5,000人の中には、外国人も日本人も含まれます。もちろん外国人の中には、留学だけではなく、技能実習、特定技能、短期滞在などのさまざまな在留資格の人たちが含まれます。

一方、3月時点で入国できていない留学生は10万人以上と言われており、このペースでは、来日を待っている全ての留学生が入国できるまでにはいったいどのぐらい時間がかかるのか、不安に思う日本語教育関係者も少なくありませんでした。そのような声を受けてか、政府は入国者総数の上限を徐々に上げていきました。

まず、3月14日には上限を7,000人に増やしました。合わせて、文部科学省に「外国人留学生入国サポートセンター」を設け、「留学生円滑入国スキーム」として航空機の空席を利用して留学生を別枠で受け入れるようにしました。航空機に空き席の多い平日を活用して1週間で約1万人の留学生を受け入れ、3月中旬から5月末までの10週間で約10万人の留学生を受け入れるとしました。

4月10日には更に入国者数の上限を1万人に引き上げました。4月17日には岸田首相が「(新型コロナウイルスについては)万全の治療体制を用意しながら水際対策を少しずつ緩めていく」と政府の方針を示しました。入国者の上限については今後、さらに緩和されていく可能性はありますが、新型コロナの新規感染者数の状況などを見ながらの判断になるものと思われます。

日本語教師の求人数の急増

留学生が続々と入国し、全国各地の日本語学校に入学し、いよいよ新学期がスタートしました。留学生の増加に応じてクラスも増えることになり、必然的にその授業を担当する日本語教師の求人が急激に増えています。

代表的な日本語教師の求人情報サイトの1つである日本語教師の集いに掲載されている求人情報数を見ると、その状況がよく分かります。ここに挙がっている求人情報は必ずしも日本国内だけではなく、海外からの求人募集も含まれています。また、既にこの時点で募集終了になっているものも含まれています。求人情報は変動が激しいので、タイミングによっても目にする求人件数は大きく異なってくると思われますが、試しに4月23日18時時点で数えてみたところ、3月に公開された求人件数は59件、4月に公開された求人件数はこの時点で82件でした。多くの学校で日本語教師を募集していることが分かります。

今は、留学生が一気に入国してくることもあり、日本語教師を目指す方にとっては仕事を得る大きなチャンスと言えるでしょう。しかしながら、こういう時だからこそ、応募するに当たっては募集している学校のことをよく調べ、しっかりとした教育機関を慎重に選ぶことをお勧めします。

3月の入国者数の速報

3月になって水際対策が緩和され、入国する外国人が増えていることは、出入国管理庁からの統計データ「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置等による入国者数(速報値)」からも見えてきます。こちらでは、毎月、前月までの1年間の入国者数の速報を公開しています。4月15日に発表された「令和3年3月~令和4年3月」の入国者数を見てみましょう。分かりやすく比較するために2022年1、2、3月を比較します。

 

新規入国者総数

2,015人(1月)→5,206人(2月)→48,418人(3月)

うち留学

15人(1月)→89人(2月)→14,810人(3月)

うち技能実習

0人(1月)→5人(2月)→10,163人(3月)

うち特定技能

0人(1月)→0人(2月)→1,758人(3月)

うち短期滞在

699人(1月)→1,060人(2月)→6,522人(3月)

 

3月に入り新規入国者数が急増し、特に留学と技能実習の在留資格が大きく増えていることが分かります。この増加傾向は4月以降も続くことが期待されます。

 

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